2019/11/11
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★塩島敏彦展★【WAKO】
先日、アクアセンター街WAKOにて塩島敏彦展が開催されました。
塩島先生の作品『ピクウェ』『ミニアチュール』『パート・ド・ヴェール』『アイボリー・カービング』をご紹介します。
目次
塩島敏彦先生プロフィール
1954 年 5 月甲府市生まれ
1976 年 象嵌作家塩島東峰に師事
1983 年 有機素材に平象嵌をする特殊技術を習得後渡英
中世ヨーロッパに幹を発し、幻の技術と呼ばれたピクウェの再現に挑戦
1985 年 100 年ぶりに技法を復活し、世界で唯一のピクウェ作家として現在に至る
1998 年 日本象牙工芸展において東京都知事賞受賞
2000 年・2002 年 日本象牙工芸展において経済産業省製造産業局長賞受賞
現代では製作が難しいとされていた『アイボリーカーヴィング』、
『ミニアチュール』、『パート・ド・ヴェール』の技法に挑戦し、再現。
常に素材、デザイン、技術のバランスのとれた宝飾品を製作されています。
pique【ピクウェ】
ピクウェの歴史は古く、130年前に技術が途絶えて以降、
ピクウェの製造方法は文献として何も残っておらず、
アンティークジュエリーの世界では幻の技法と呼ばれていました。
塩島先生により再現されたピクウェは、鼈甲(べっこう)や蝶貝などの
有機素材に純金、純プラチナを嵌め込む特殊象嵌を用いており、
それが出来る作家は世界でもほとんどいません。
※象嵌(ぞうがん)とは…
金属・陶磁器・牙(きば)・木材などに、模様などを刻み込んで、
そこに金・銀その他の材料をはめ込むこと。また、そのはめ込んだもの。
白蝶貝に金、プラチナパーツが嵌め込まれ、彫金されていますが
表面は引っ掛かりがなく、つるっとしています。
細かく彫金が施されることにより、きらきらと光ります✨
IVORY CARVING【アイボリーカーヴィング】
アイボリーカーヴィングとは象牙彫刻のことです。
アイボリーカーヴィングの宝飾品は、アンティークジュエリーの世界では見ることがきますが、
現在制作している作家はヨーロッパを含めても塩島先生以外にはほとんどいません。
理由としては象牙の素材が入手困難であり、技術、コストのリスクが非常に大きいからです。
塩島先生が使用する象牙は、ハード材の材質の中でも
中心部の一番良い素材のみを使用しているため、
象牙によく見られる変色は100年経過しても起こりません❕
1953年創業、販売実績30万人。広島を代表するジュエリーブランド「WAKO」
【本通店】広島市中区本通5-10/082-247-2211
【アクアセンター店】広島市中区基町6-27 アクア広島センター街4F/082-225-3215
PATE de VERRE【パート・ド・ヴェール】
パート・ド・ヴェールは紀元前16世紀頃にメソポタミアで考案された技法です。
パート・ド・ヴェールの技法は、ガラス粉末に、糊料を加え練ったものを型に詰め、
そのまま窯の中で焼き上げ、冷却後仕上げるガラス成型法のことです。
またガラスの色を自由に調合し、細かい部分にも自在に色を付けることができるため、
極めて表現豊かな作品を作ることができます。
極めて微妙で、且つ繊細な技術が要求されますが、
塩島先生は卓越した造形力と、より高度な技術により、
どの時代の、どの作家もなしえなかった宝飾品として展開しています。
Miniature【ミニアチュール】
ミニアチュールは、15世紀初頭、リンブルグ出身のランブール兄弟により確立。
その後ヴィクトリアなどによるミニアチュールが流行しますが、
その後200年もの間途絶えていた幻の技法です。
塩島先生が挑戦したミニアチュールは、表面に特殊な彩色を施した象牙の薄い板に
薄さ0.8ミリの象牙にマイクロカーヴィングを施した花束などのモチーフを貼り、その上から研磨した水晶で密閉しています。
この水晶のレンズにより、奥行きのある空間を作り出しています。
現代作家が誰も挑戦しなかった幻と言われる技法。
わずか0.8ミリの象牙にマイクロカーヴィングを施せる塩島先生の技術は
まさに神業と言えます✨
注目のジャパン・デザインのジュエリー
塩島先生の作品は、本場の西欧ですら誰も実践しない技法をもとにし、
日本的なデザインを加えた画期的な作品です。
将来、交換価値を持ち得る宝飾品として世界的に注目されています。
今回先生にご来店頂いて、技術の素晴らしさと、先生の人柄に出会えてとても楽しい催事となりました。
先生に感謝致します☆彡
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この記事のライター
WAKO AQA